「ips細胞の先駆け技術をこうも簡単に実現していたなんて…」
「猿の惑星に住んで居る宇宙猿人たちの事ね」
「ええそうよ、彼等は自分の毛を抜いてふぅ〜って吹き飛ばすだけで自分のクローンを体細胞から一瞬で精製してしまうのよ」
「すごいわね、でも…」
「なあに?」
「頭の毛なら良いけど鼻毛や腋毛や胸毛や…、肛門の周りの毛とかも使ってるわよ」
「当たり前よ、彼等も頭が禿げるのは嫌なのよ、生えてほしくないところの毛を先に使うのは正解よ」
「でも…、クローンなのになんか毛の場所によって影響があるみたいよ」
「あら、まあほんとだわ、まつ毛から生まれたあの娘お目目ぱっちりでかわいいわ」
「見て見て、問題の肛門の周りの毛から生まれたクローンよ」
「…」
「あ、逃げてった」
「…」
「肛門の周りの毛から生まれたあのクローン、どういう人生をおくるのかしら」
「あ、あの時の肛門の周りの毛から生まれた宇宙猿人だわ、あいかわらずな雰囲気の人だけど…」
「頭が禿げ上がってるじゃない! どういう事?」
「他の宇宙猿人は頭の毛は極力使わないのよね、自分の分身には自分のような苦労を味あわせたくないのよ」
「あ、頭の毛からの分身たちが居るわ、みんなすごく賢そうだわ」
「この猿の惑星は彼らに乗っ取られそうね」