「地球上の生物にはリンが必要不可欠なもののようだけど、砒素があればリン無しで大丈夫な生物が宇宙には居るんだってな、しかも膨大に居るらしい」
「そうそう、地球の生物を基準に考える事が間違いなんだってな、宇宙はそんな生物たちで満ち溢れているそうだ」
「驚きだな」
「うん、外界と膜などで仕切られ、循環している物体なだけで生物としての概念は成立するわけで、べつに地球上の生物のようなものだけが生物じゃないんだよな」
「砒素タイプの生物は物質空間のちょっとしたゆらぎでどんな過酷な星でも宇宙空間でも簡単に誕生してしまうという事なんだな」
「でもそんなんじゃつまんないよ」
「まあな、宇宙はビックバンで誕生して、泡状に複数の宇宙が誕生したとされているけど、この宇宙以外の宇宙もみんなそんなつまんない生物で満ち溢れているんだろうか?」
「うん、他の宇宙にも地球の生物のような生物は居ないんじゃないかな、地球と全く同じ環境の星が有っても細菌や植物が発生するとは考え難いそうだ」
「そういう星が有ったら地球から生物を感染させるという方法でしかリン生物を増やす事は出来ないんじゃないか?」
「感染させなければずっと地球の生物は地球だけという事なんだな、淋しい限りだ、この宇宙にも他の宇宙同様地球と瓜二つの星がいっぱいあるそうなのにな」
「しかしなんで俺達ひそひそ話してるんだ?」
「しっ聞えるよ、砒素砒素」