ss1308 ナノカメラマン
「すご〜い」
「素晴らしい映像ね」
「鳥や魚に小型カメラを付けてカメラマンにして撮らせた映像なのね」
「面白いわねこれ、最近もっともっとちっちゃいナノカメラっていうのも開発されたじゅない? 虫や蚤とかにもカメラマンになってもらったらすごいたのしい映像が撮れるんじゃない?」
「そうね、やってみましょう」

「…、この蚤に付けたナノカメラは基本的に顕微鏡レンズだから不思議な世界だわね」
「そうナノよね、綺麗だわ、吸っている血の中の赤血球とかの流れもリアルタイムに観察できちゃうのね」
「見て見てこのナノカメラはもっと凄いわよ、光学じゃなくて生体走査タイプの電子顕微鏡なのよ」
「まあ、じゃあ虫とかじゃ役不足ね、細菌とかウイルスにカメラマンになってもらわなくちゃいけないわね」
「ええ、実はもうウイルスにこの生体走査タイプの電子顕微鏡を背負わせてあなたの細胞に入り込ませてみたの」
「まあいつの間に…」
「モニターに映すわね」
「なに!? 人影みたいな者が…」
「あなたの細胞の中に居るのよ」
「宇宙人!?」
「やっぱり…、今までは死んだ細胞や培養皿に移してから観察していたから判らなかったけど、活動中の実際の生体ではあたただけじゃなくて全ての人間、いいえ、全ての生物にやつらが寄生しているようなのよ」
「あたしたちって、本当は巨大ロボットとかなのかしら?」
「そうかもね、そうしたらあたしたちの心も人工知能とかで出来ていて、実際には擬似的なものなのかもね」
「操作するほうは楽しいんだろうね」
「そうさね」