「宇宙遊泳は最初は楽しいけど、思う方向になかなかいけなくていらいらするわね」
「そうね、やっぱりある程度の重力がないとだめだわね、宇宙船内全部を重力装置で重力を付けてもいいけど、それだと宇宙に来て研究している意味がないわ」
「そこでこの重力ブーツの登場ね、このブーツを履いていれば個人レベルでの重力制御が可能だわ」
「リミッターが付いているのね、1G以上には設定出来ないようになっているわ」
「ええ、上限知らずだったら設定間違えたらぺしゃんこだからね」
「って、あなた腕にも重力ブーツ通してなにやってるのよ!」
「あたしチビだから上下に重力かければ背骨の組合せが良くなって身長が伸びると思ってさ」
「なるほどね、地球でのぶらさがり健康法より効果がありそうね」
『ブーブー』
「なに!?」
「宇宙電磁波域に突入したようだわ、あなた早くブーツを取りなさい誤操作するかもしれないわ」
「ぎゃ〜リミッターが外れたわ、重力がどんどん上がってゆくわっ! 手も下げられない助けて! 重力ブーツを腕や足から抜けないようにきつくロックしちゃったのよ」
「だめ、宇宙電磁波の影響でロックも解けないわ」
「ずいぶん身長が伸びたわ」
「良かったわね」
「にょろにょろみたいな動きになったけど…」