「全人類、なんにでもなれるゼリー状生物に進化完了しましたね」
「うむ、これで隕石だろうがなんだろうがどんと来いだ。人型や動物の型だけじゃなくて、物語にでてくる妖精や妖怪やクリーチャーや、オリジナルの生きものの型を作っちゃえばそれに入って楽しく遊べちゃうぞ。リアルコスプレ、きぐるみ進化だ!」
「感動です。これこそ究極の進化ですね、好きなものになれちゃうなんて」
「うむ、ところで君、どうしてジェシカの型は金庫にしまってしまったんだい?」
「自分の胸に手を当ててよ〜く考えてみてください」
「…?」
「絶滅した生物の型も作りました。アノマノカリスも恐竜もみんな人が入るからサイズが人間サイズで一定ですけどね、ぼくは翼竜に入ってみました。素晴らしいです。空を飛んでみましたよ」
「わしなんか、太陽の塔や座る事を拒む椅子とかにもなってみたぞ」
「…、そうですか、しかし凄いですね生物以外のものにもなれるなんて」
「うむ、ほら、機動戦士ランディムにだってなれるんじゃぞ」
「…、つんつん…、…、入ってるだけで太陽の塔や座る事を拒む椅子のようにぜんぜん動かないじゃないですか、ロボットなのに動かないなんてかっちょわるいですよ」
「わしの歳を考えてくれ、ロボットは金属製で重いんじゃよ、起動せんしじゃ」
「…」