ss1290 ロボトミーのオモチャ
「子供に対してもロボトミー手術をするのか!?」
「安全です。親に対してするような強力なものではありません。ただ国の税金が不足しています。どんな子供にも今の子供を守る法律が適用される訳ではないのです」
「どういう事だ?」
「子供に対するロボトミー手術は、ただ単に本能を助長させるだけのものです。将来フリーターやニートになりそうな子供をいじめぬいて自殺に追いやるように仕向けるためです。親の蓄えや生活保護で国の税金を消費するだけの人間は早いうちから粛清させねばなりません」
「…、確かに子供というのは動物的感覚に優れていてちょっとでも異質で弱い人間に対しては執拗に攻撃するからな」
「そうですその残酷さを利用するのです。今は国の危機なのです。ソ連や中国から国を守らなければならないのです。そのような異質で弱い人間は国家として不要なのです」
「強い種を維持する本能なんだからしょうがないよな、いじめや差別は何千年どころか何万年も続いている人間の行事だし、人間だけじゃなく高等生物になればなるほど強いしな、それは俺も認めるよ生物として仕方の無い事だ」

「…」
「ロボトミー手術を受けた子供が全員自殺したんだって!?」
「ええ、実は本能部分だけじゃなくて、前頭葉も肥大化させたのです。頭が良くなると思って…」
「それで悟りの境地に達してみんな自殺したのか!?」
「ええ、そうです。白人であるソ連の子供の成長の早さや身体能力の差を動物的感覚で冷静に見て、勝てないと悟ったようです。中国人に対してもその日本人に対する憎悪のエネルギーを感覚的に知り、絶対に勝てないと悟ったようです」
「残ったのは…」
「ええ、粛清される筈だった子供たちです」
「…」