ss1286 デパ地下での密談
「デパートの地下に秘密基地がある」
「うん、知ってる」
「お腹が減ったら試食でお腹を満たせる」
「うん、至れり尽せりだわよね、トイレも綺麗だしおっきい洗面所で体も洗える」
「他の動物達はどうしているんでしょう?」
「そうね、わたしたち狐や狸はこうやって人間に変身していれば生きていけるけど、他の動物達は変身出来ないからね」
「熊さんなんて人里に降りて来て食料を胃袋に溜め込んで冬支度するしかないみたいなんでなんか揉めてるみたいよ」
「山だけで冬眠に充分な食糧を確保出来なくなったものね、烏のように残飯をあさっているだけなのに殺されちゃったりするわよね」
「世知辛い世の中だわね」
「そんな悠長な事言ってられないわ、救ってあげましょう」
「そうね、あたしたちの変身能力を彼らにも摘要してあげましょう」

「熊くらいならなんとか人間社会に溶け込ませられたけど…、多少乱暴な人という設定でね、でも…」
「日本人に追い詰められた鯨はどうして受け入れてもらえないのかしらね?」
「そうよね、この本のガリバーっていう巨人のようにはいかないのかしら?」