「おまえ主にって言葉で本格的なSFから逃げてねえか?」
「あ、神様、んなことないですよ。主よ。」
「今回はどんなテーマだ?」
「へえ、やっぱり宇宙の神秘を取り入れた作品にしようと思っとりやす。さうですね、今熱い暗黒物質とか、反物質とか超紐理論あたりを…」
「おおし、やってみ、プロットを聞かしてみ」
「へえ、SFとはいえ現実の生活から離れ過ぎたものは読者がついて来れない事があるし、難しい事をたらたら書いてもだめだし、飛びすぎた登場人物とかには感情移入も難しくなるんで、現実の世界の延長上で話を進めようと思ってるんですよ。ん〜んと、暗黒物質…、それは焦がしてしまったサンマです。元のサンマよりも質量が少なくなっているが、ニートリノよりも遥かに重い。これで宇宙の真の重力の説明が付く筈です。そして反物質。はんぺんの事です。対角線上に包丁を入れて半辺にしたものの事ですね。全く同じ質量に分ける技がはんぺん職人に求められます。はんぺん職人の頭の中は爆発状態です。それから超紐理論。これはもうあたしの得意分野です。目を付けたフィリピンから拉致して来た少女のヒモになり、吉原あたりで操って甘い汁を吸い続け、数年毎に新機種に変えヒモを結び直していきます。このあたりの物語を書こうかなと。ん〜んとプロットでしたね、つか、あたしの作品自体がプロットみたいなもんですが…」
「」
「あれ?」
「」
「どうしたんすか?」
「」
「ヒモをほどいた子ならあげますよ」
「いらん」
「熟女好きでしょ?」
「」