ss1268 イボイノシシ
「イボはなぜ出来るのか?」
「不思議よね、若い子にも出来るけど、特にあたしらみたく歳取って来るといっぱい出来て来るわよね」
「あ、すまんすまんそれは『株』じゃ、しかも出来損ないじゃ」
「あ、神様、いきなり出ましたね」
「『株』? 出来損ない? どういう事なんですの神様?」
「そうじゃな、イチゴが種だけで増えるんじゃなくて株でも増えるじゃろ、ベニクラゲなんかもそうじゃ、おまえたち人間もその様に増やそうと考えとったんじゃ、でも今までうまくいかなくてな。でも安心しなさい。次の進化でちゃんとイボから子供を増やせる様にしてやる」
「…」
「…」
「嬉しいじゃろ、結婚相手が見付からなくてもコモドドラゴンの様に単為生殖が出来る様になるのじゃ」
「あ、行っちゃった」
「神様忙しいからね、ってあんたのイボっ!!」
「子供の形になって来た! 次の進化からって神様は言ってたのに…」
「あたしたちに子供出来なかったから良かったじゃない。でもあんた似ね」
「当たり前だよ俺のイボから出来た子なんだから」
「あたしにも早くイボ出来ないかしら」