「人間と機械の融合、意外と簡単だったな」
「ああ、生物人間、有機物とはいえ、構造は精密なナノテクノロジーとなんら変わる事は無い」
「そうだな、化学反応にしろ物理的な動きにしろ現代の発達したナノテクノロジーとなんら変わる事は無い。簡単に人工的に作った機械と生物人間のパーツとを部品交換出来る様になった」
「移植の臓器不足も解決だ。神経血管も皮膚もなんの拒絶反応も無しに交換出来る。もちろん免疫システムも血液すらも人工機械で作れるようになったからな」
「そこで天然の有機物よりも、コントロールの利く機械を受精卵の段階で人間に組み込む事にした」
「ああ、最初からサイボーグとして産まれて来る様にしたわけだな、賢い選択だ」
「パーツ交換がし易くなるな、全ての細胞に我が社のナノテクノロジーが入り込み、不死を保障する」
「つか、こいつらはコントロールの利く機械なんだよ」
「ああ、我が社、我等の思い通りに全人類の意思をもコントロール出来る」
「そういう事だ」
「ぼく、どうしたの?」
「大変だよママ、ぼくの夏休みの自由研究で作った生物というロボットが、人間というロボットが、ぼくの操縦から抜け出そうとしてるんだ」
「まあまあ、それは大変ね、でもぼく、そのリモコン忘れてない?」
「あ、そうだった。リモコンが有ったんだ。ノープロブレム。」