ss1258 臓器移植
「俺は助かったのか?」
「そうよ、臓器を提供してくれた人のおかげよ」
「そうか、じゃまた臓器移植の同意書にサインしとかないとな」
「また? ああそうねまたよね」

「おお、調子の良い臓器たちだ」
「そう、そうよね」
「なんか不満そうだな」
「前のほうがマッチョで良かったわ」
「だっていくらマッチョだってじじいだったぜ」
「ダンディーで良かったわよ、今度は若過ぎよ下の毛も生え揃ってないじゃない」
「わかったよ、もう一度自殺するよ、お前ももっと良い女になれよ」
「そうね、心中しましょう」

「俺は助かったのか?」
「はい、でも彼女は…」
「ああ、いいよあんなわがままな女、それに俺よりもヤドカリ生活長くて千年くらい生きてたからな」
「しかしあなた『毎回』死に方上手ですね、体は全てもうだめなのに脳だけは無傷で全くダメージがありません」
「あ、今度は」
「女の子の臓器たち… というか一体の脳死した女の子の体にあなたの脳を移植しました。『俺』という事葉はもうやめてください」
「まあ、あたし萌え萌えな女の子なったのね、素適! きゃきゃあたし借り暮らしのアリエッテイーね」
「… 有り得っねぇー」