「いくじなしっ!」
「そうよ育児放棄よなにがわるいの!?」
「ま、まあ確かに今の世の中は若い親だけで子育てするには厳しい環境だけれどもね…」
「なに人ごとみたいに言っているのよ、あんたがあたしを空飛ぶ円盤で拉致して来て産ませた子でしょ!? このこの」
「あっ、幼児虐待反対! わかったよぼくがめんどう見るよ」
「当然よ、あんたの星に連れて帰ってちょうだい」
「でもぼくの星でも、辺境の星の野蛮な地球人の血が混じってると判るといじめられるんだよな」
「知らないわよそんなこと」
「整形手術して外観だけでもかわいくしておいてやらないと、ぼくの星の保育所にあずけても育児放棄、いくじなしになっちゃうんだよな」
「まあ、ほんとにこんなにちいさな子供でも整形手術出来たのね、まあ理知的ですんごくかわいいわ」
「あのね…、じゃ、育ててみたくなった?」
「ええ、こんな子ならいいわ」
「念のために親は無くとも子は育つ光線も当てておこう。」
「ええっ!…、どこからそんなたくさんの子供を?」
「育児に目覚めたのよ、育児放棄で捨てられた子供を集たの」
「って、みんな整形手術したのか!? ペットを飼うんじゃないんだから…、誰が誰だか判らないよ」
「もうあれから十年も経ったんだよ、みんなそろそろ青年だよ旅立たせてあげないといけないよ」
「いやよ、みんなあたしのかわいいイケメンの子供よ!」
「きみは育児してたんじゃなくて育児されていたんだね」