ss1236 薬
「へぇ〜、薬剤師さんてどんな薬でも調合出来るんですね」
「へえ、まいど、あなたは早く大人になって色々な事がしたいんですね、調合しときましたよ」
「高〜い」
「お嬢ちゃん、大人になって働いて返してくれれば良いですよ」
「うん、ありがとう」

「よお〜し、ママの服を用意して、飲むぞ、粉薬か… あ、ちょっとこぼしちゃった。ま、いいか」

「あの…」
「へえ、まいど、あれ、調合間違えたかなあ?」
「いえ、あたしがちょっと薬をこぼしちゃったんです。なんとかなりませんか?」
「微妙な調合なんですよ、間違えると大人になりかけとか、部分的に大人になるとかじゃなくて、お嬢ちゃんの様に得体の知れない怪物とかになっちゃうんです」
「いやんこんなの」
「大丈夫です。今度はこの薬をこぼさないように全て飲んでくださいね」

「みんなが帰って来る前になんとかとしないと… あ、また、ちょっとこぼしちゃった。ま、いいか」

「…」
「…」
「こうなってしまってはもう治りません。実はお嬢ちゃんの様に薬の飲み方を間違えたりして怪物になった方がけっこう居るのです。もうここにはお嬢ちゃんは居られません。この星に捨てさせていただきます」
「いやん、変な怪物がいっぱいいる地球という星ね」
「そうです。この地球の生物はみんな薬の飲み方を間違えて怪物になった方たちです。喋れなくなった方も居ます」