「ケータイメールの予測変換は便利だな、頭文字だけ入れるだけで欲しい単語を選べて文章を素早く作成出来る」
「そうね、どんどん進化しているわ、打ち込む時間によってその時間に合った適切な朝用の単語や夕方用の単語を並べてくれたり、一度選んだ単語を上のほうに表示してくれたり、その関連の単語を表示してくれたり… いたれりつくせりだわ」
「このケータイメールの予測変換技術が、地球上全ての生物の遺伝子ゲノムが解析完了した今、遺伝子組み換え作業にも応用出来る様になった」
「すっごくらくちんに遺伝子組み換えが出来る様になったわよね、遺伝子の機能の頭文字を入れるだけでその関連の遺伝子配列のコドンからコドンまでの一つ一つの能力の遺伝子単語が表示されて簡単に取り出せる様になったわ」
「うん、その遺伝子単語の機能を支える別の遺伝子の単語まで表示してくれるし、この生物に毒を持たせたいと思ったらその体には解毒作用のある遺伝子を組み込んだらどうですか? って感じで解毒作用を構築する遺伝子単語集団まで表示してくれる」
「楽しいわね、このシステムのおかげでどんな複合能力の有る生物も簡単に作れちゃうわよ、あたしたち人間も飛躍的に色んな欲しい能力を身に付けられるわ」
「あれ? 頭文字を打ち込んだのに予測変換の遺伝子単語を表示してくれない」
「当たり前よ、その生物には地球上の全ての生物の全ての能力が組み込まれた究極のキメラ生物なんですからね」
「そっか、でも詰め込みすぎてかっこわるいからいらない」
「そうね、生ゴミの日に捨てて来てね。でも遺伝子の組合せそのものは無限よ、今度は予測変換機能を遺伝子機能単語レベルじゃなくて、一文字レベルにして一文字一文字の組合せでどのような能力の遺伝子になるかの予測変換機能を付けましょうよ」
「そうだな、それが完成したらキメラ生物じゃなくて全く未知の生物が作れるぞ!」
「あたしたち予想されて表示されたものを選択して組み合わせて文章を書くだけで、新生物の神様ね!」