「地球上の生物のオスは、常に競争と戦いを強いられている」
「うむ、それが強い遺伝子を未来に繋げる事になっているわけだ」
「地球に人間だけが残ったというのも、白人だけが残ったというのも、白人の中でもアングロサクソンだけが残ったというのも必然だったという事だな?」
「そういう事だ」
「ちょっと逆らったアラブへの執拗なまでの残虐な攻撃、基地の維持を含むアジアへの利潤が無くなった瞬間のあっさりした切り離し… あっという間にアングロサクソン以外の地球人は貧困と暴力の中で消えた」
「隕石が落ちずに恐竜時代が続いていたら、その恐竜の中の一種だけが残ったんだろうけど、しかしなんの運命のいたずらからかなんともへんちくりんな生き物が残ったものだな」
「こんなへんちくりんな生き物が宇宙に進出して宇宙中に広がったら、嫌だな」
「嫌だ嫌だ」
「でも勝利して広まっちゃったね」
「こうなってしまってはこのこんなへんちくりんな生き物をへんちくりんじゃない美しい生き物に変えるしかないな」
「うむ、フォルムで究極に美しいというものは『真球』だ」
「まんまるにするか」
「まんまるにしたら宇宙空間で暮らし易くなって感謝してくれているな」
「性格までまるくなって来たぞ」
「これはやばいんじゃないか? 過去の地球や宇宙での自分達の殺戮の歴史を反省しだしたぞ」
「やばいやばい!!!! みんな自分自身を責め始め風船爆発し始めた!」
「性格を直しただけで… みんな集団自殺か…」
「いや、直さなくても競争相手が居なくなったという脱力感から無気力になり同じ結果になっていた事だろう」
「どっちにしろ一種だけでは精神崩壊するという事だな」