ss1220 夢見る少女
「人間は夢を現実にする生物なのよ」
「それで… あたしの脳にこんなに電極を奥深くまで差し込んでくれたのね教授」
「はい、眠って眠って」
「んなに都合よく眠れる訳ないでしょ」
『ぽかっ!』
『ぐ〜ぐ〜』
「おっ巨大スクリーンに夢で見ている世界が映し出されて来たぞ、教授これは…」
「まあまあ、計画通り。案の定白馬の王子様の夢を見ているわ。いけ面で足が長くてきらきら歯が光ってるわ。。。」
「…」
「この娘あたしと趣味が合うわね、この白馬の王子を現実化しなさい」
「あの、そんな事にこんな高価な『夢を現実化する機械』を使用するのですか? もっと有意義に未知の生物とか魔法使いとかタイムマシンとかの夢を見させて現実化した方が良いのではないですか?」
「だまれ! あたしは白馬の王子を現実化するためにこの機械を国家予算で作ったんだ、さっさと現実化しやがれ」
「あい。。。」

「まあ、まあまあまあまあ、王子様! あたしはあなたを夢見る少女の時からずっとずっとずっとずっと待っておりました」
「おばはん誰? ぼくはそこに眠ってる若い娘、眠り姫にキスをして起こさないといけないんだ、どいてくれる?」
「きぃー やっぱりあたし自身が白馬の王子の夢を見ないといけないのね」

「あら、まあ王子様どうして… あぁ、あたしの夢から出て来たのね、研究所のみんな、教授は?」
「夢を見ているよ、白馬の王子様が何人も何人も何人も何人も何人も出て来る夢を」
「幸せそうな寝顔ね」
「いや… 怖いよ」
「このまま放置するんでしょ」
「勿論だよ」