ss1219 すっぱだかの猿学
「なんで人間って頭だけに毛が生えてて、体には毛がないの?」
「ほんと変だわ、産まれた姿が地球上で生きるのに完璧じゃない生物なんて人間くらいなものよね」
「首まで水に浸かって生活してたとか、幼形進化でそうなったとか色々説があるみたいだけど、その程度の進化ならすぐまた環境が変わったんだから、哺乳類なんだから全身に毛が生える様に進化するだろうに… 何百万年もすっぱだかのままよ、恥ずかしいわ」
「恥ずかしいのはともかく、ほんとどうなってるのかしらね」
「と、いうことであたしたちは人間にも毛皮をという研究をしているのよね」
「そう、そして完成したのよね」
「で、既にあたしたち毛皮付きのゴージャスな人間になっているわけだけど…」
「快適よね」
「あなた、大阪出身だったけ?」
「ヒョウ柄の毛皮にしたからってんなわけないっしょ。あなたこそアルパカの毛皮を生やしてそんなにもこもこになって熱くない?」
「彼がかわいいって言ってくれたわ」
「なによっ! 雌ヒョウのほうが『あにゃ〜』って言って近付けば超かわいいに決まってるっしょ。」
「でも、欲情しないって言ってたわ」
「…」
「…」
「あたしたち女なのに毛深いからね」
「けっ」
「はい。ヒツジ用のバリカン買って来たわよ」
「部分的に残すとセクシーになるわね」
「要所だけ刈るのやめてくれる?」
「文字とかどう?」
「あのね」