ss1207 ガッキー
「よく戦中派の人で、貧しい小学生の頃クラスで一人だけお昼のお弁当を持って来れなくて、その刹那さ悔しさ空腹さで世界で一番俺は不幸な人間だとか思って、それをバネに努力して、今色々な分野で成功しているっていう人多いよな」
「そうだな、各分野の大御所や社長や政治家に聞くとスタートの貧しさとその後の努力の自慢話が定番だ。社会に対する復讐とまで言っている人も居て、他の同業他社を容赦なく潰す人までいる」
「でも実際には地球全体で見ると今でも人間の死亡原因の最大の原因は餓死なんだよな、日本の戦後の貧しさは農作物がそれなりに田舎で生産できていたから究極の貧しさじゃなくて社会を復興出来たのだが、自然の脅威やウイルスに常に曝されている地域の人たちは努力のしようが無い。小学生のクラスで一人だけお昼のお弁当を持って来れる子に、クラスのみんながその子から一口づつ分けてもらっているっていう映像をよく見るよな」
「尋常でないくらい骨と皮でクモみたいな子供も居るよな、歳を聞いてみると高学年なのに一年生くらいに小さいしな」
「似ているだろう?」
「え、ああ、頭が大きくて撫で肩で、クモのように細い手足で、目が大きい… 宇宙人だろ?」
「そうだ、今地球に観光で来ている宇宙人にそっくりだ。その宇宙人が彼らに目を付けている」
「目を付けている?」
「どうやらその宇宙人たちは遺伝子の枯渇化で子供が産まれにくくなっているようなんだよ」
「これは一石二鳥だな、ガキども、いや餓鬼どもを売り飛ばそう」
「そういう事だ。人口爆発問題も食糧問題も一気に解決して、売り飛ばしたお金で地球経済も良くなるぞ」

 二十年後…
「地球か、なにもかもみなむかつく。ちくしょう餓鬼だった俺達を人身売買しやがって」
「俺等は努力して高度な科学技術は勿論各分野の高度な宇宙人の技術を手に入れた」
「じっくりとその技術で地球の全ての分野をインベーダーしてやるぜ!!!」