ss1132 夢中
 男らしい男が話しかけた。
「お前つまらない男だなあ」
「…」
「女性の中には男に興味を示さず、一生セックス無しでも平気なのが、普通にいっぱいいるそうだけど、男のお前もそんな感じだな」
「…」
「…」
「そんなことないよ、夢中になれるような女性がいないんだよ」
「そうか、まっ、がんばれよ」

「しまった。今夜もやってしまった」
 彼の場合、夢中になれる女性は文字どうり夢の中にいた。