ss1129 美調整
「細胞外マトリックス…、切断面の細胞を幹細胞化させるきっかけの成分だからブタの膀胱から精製したこの白い粉でもいいのね」
「でも、実際は互換性がぴったりの人間の膀胱から精製した粉でやってるくさいわね、軍隊仕様なんていつもそんな感じだからね、戦争やってんだから死体はいつでも調達出来るからね」
「…、それはそれとして再生した指がなんで若返ってないのかしら?」
「そ、そうよねイメージとしては再生した部分はぴちぴちの肌のイメージよね、細胞同士のコミュニケーションでそういう細胞年齢までも忠実に再現するのね、大きさも寸分変わらずに再生してちゃんと元の大きさでストップするしね」
「また昔の科学者の資料の出番ね、イモリの研究者はいっぱい居たわ、再生の時に色々遊んでたみたいよ、サイズも細胞年齢もけっこう自由自在に操作出来ていたみたい」
「ありがたいわね、ただパソコンが普及してない時代だから紙のデータっていうのが扱い難いけどね、検索も出来ないからまた片っ端から読むしかないわね」

「あなた、本当に自分自身にやるの?」
「ええ、協力してちょうだい。これらの臨床実験はあのグラビアアイドルだった娘でさんざんやって証明済みよ」
「いいわ、一年かけて全身を切っていくわよ」
「楽しみだわ」

「あなた、微調整うまいわね、最高よ」
「あの娘のグラビア写真集で研究したのよ、細胞年齢は二十歳に設定して、ウエストは小さめでストップさせて、胸はバーンとね。足は長めにしといたわ」
「コーデネーターはこうでねえといけないわね」