ss1123 スイミングスクール
「わたしは今アンドロイドの体に無限の記憶領域があるUSBフラッシュ9.0を脳代わりにしている訳だが、だから睡眠も必要無い訳なんだよな」
「そうよ、でも睡眠のフィルターかけたほうが良くない?」
「うん、ギャルの君に可愛く言われちゃかけない訳にはいくまい」
「って言うかー、ずっと起きていて記憶のメンテナンスしなきゃーあたまおかしくなるしー」
「う、うんそうだよね、君達生身の脳は寝ている間に一日の記憶をレム・ノンレム睡眠の繰り返しの中で整えているんだよねわたしもある程度そうしないといけないという事だね」
「そうよ、あたし夢は覚えてないほうだけど夢を見るという行為は脳にとって一番大切な事なんですってよ、特に高等生物はね」
「夢の中に君が出てくると良いな」
「かってに言ってろ」

《お、フィルター起動したらいきなり夢モードになったぞ》
《はあ〜い》
《なんだいきなり君が夢の中に出て来たじゃないか》
《良く考えたらー、あんたの脳フラッシュメモリーじゃん。夢を故意に消さない限りずっと残るしー、見たい部分はいつでもインデックスで呼び出せるしー、って言うかー、経費節減?》
《…、そうだなアンドロイドの体は莫大な維持管理費がかかるんだよな、良いよフラッシュメモリー抜いても、時々ちょっとした世間のニュースを書き込んでくれればそれを元に夢に取り込んで記憶を紡いでゆくよ。わたしの場合夢のほうが人生の記憶になる》
《良かったー、あんた実体のほうのあたしを変な目で見てたしー、でもーきもいから夢の中でも妄想すんなよなー》
《…》

「…」
「…」
「抜く?」
「うん」