「こごろー! おまえまた子殺ししたんだってな」
「おう」
「子殺し、嬰児・幼児虐待は今、問題視されているが、江戸時代の農民なんか平気でやっていた。幼児の骨が土手の土台や橋の基礎とかからごろごろ出てくる。明治大正昭和初期だってそうだ。子供を10人くらい平気で産む時代はその内の一人二人虐待死させたところで近所も世間も全然騒がなかった」
「だろ」
「今また不況の時代で混沌とした生活の中で日常的に嬰児・幼児虐待は親のはけ口として標準的に行なわれている」
「そうだ、俺のせいじゃない。俺の親、いや俺の家系では先祖代々続いているぞ、運のいい奴が生き残っているだけだ」
「そこでだ、わたしは虐待に強い子供を遺伝子操作で作る事に挑戦して成功した」
「…、そうか、それで俺の次の子は何日食事を与えなくても、サンドバックにして遊んでやっても死なないんだな」
「そういう事だ。超微量の水や残飯だけでもすくすくと育つのだ」
「逞しいな」
「こごろー、こころーの準備はいいか?」
「…」
「大きくなったお前の子供が親孝行をしてくれるそうだ」
「俺はまだ若い、負けねーよ」
「お前の子供は超人だという事を忘れているな、彼からすればお前は嬰児・幼児程度の力でしかないんだよ」
「…、…、…、…」
「とうちゃん、とうちゃん達ってこんなに弱弱しい生物なんだね、これからの時代そんなんじゃ生きて行けないよ、ぼくが守ってあげるよ」
「…」
「…」