ss1114 メダルの価値
「あれだけ何年も努力して、たったあの大きさの金かよ」
「大きさ? 何を言っているの?」
「金だったら金の延べ棒単位で何本もあげなきゃわりにあわないだろうって話さ」
「あはは、まあそうだけどね、あの大きさならプラチナで作ってあげたほうが良いわよね、あ、そうよダイヤよダイヤ、ちょっと小さくしておっきなダイヤのメダルにしたら女子はもっとがんばるわよ」
「聖火台の火で一瞬で消えたらどうすんだよ」
「…」
「しょせんアマチュアのお祭りの競技大会だから、凝った王冠じゃなくてメダルなんだよな、賞金も無いし、高級車とかもくれないし… メダルがなんかの価値ある無料パスとかだったら良いんじゃないかな」
「あ、それ良いじゃない。入賞以上の人に最近開発されたタイムマシンの無料パスをあげるっていうのはどうよ、若さや技術を保ったままタイムマシンで四年後に飛んで何度でもオリンピックで戦えるわよ、みんなトップになるまでタイムマシンを利用するでしょうね」

「オリンピック… タイムマシンの影響で、毎回同じメンバーの戦いになっちゃって面白くなくなって来たな」
「みんなが四年後に飛ぶというパターンがいけないのよ、タイムマシンなんだから過去のオリンピックにだって飛べるじゃない」
「それはそうだけど…」