「日本特有の人間模様は… いくら凄いアートでもオシャレにあたしたちが活用するにはちょっと抵抗があるわね」
「そうね、それにそうとう痛いでしょうしね」
「やっぱり無難に耐えられる程度の痛さでのオシャレとなると、ピアスだわ」
「そうね、耳や鼻や臍や陰唇に穴を空けるのね」
「自分たちで穴を空けるのは怖いし危険だから専門家に頼みましょうよ」
「そうね」
「凄腕の店があるのよ、血管や神経を避けて皮膚の流れに逆らわないポイントを見付けて穴を空けてくれるのよ」
「それは凄いわね、神業ね」
「全然痛くなかったわね、耳と鼻とそして額にも穴を空けてもらったけど、ほんと凄いわ血も出ないしむしろ気持ち良いくらだわ」
「でしょ、その穴は傷として認識されないくらいに絶妙なポイントに穴を空けてあるから何年経っても穴のままで塞がらないのよ」
「素晴らしいわ」
「でしょ、あたしは今回一番高いコースを選んだわ」
「あ、なんかそんな項目有ったわね、穴を空ける場所指定じゃなくて、自分で好きな所に自由に空けられるようにするってやつね」
「ほら」
「きゃっおもしろ〜い! まんがで機関銃に撃たれた人みたいに体中穴だらけで向こう側の景色まで見えるわ」
「ほら」
「うそっ! 額にも穴が空いて向こう側が見えるわ!!!!」
「一番高いコースは骨までも軟骨化出来るのよ」
「これならどんな狭い所でも金網でも通り抜けられそうね」
「ええ、一番高いコースの料金まだ払ってないの、稼いでこないとね」
「そういうことね」