ss1099 超恒温動物
「過酷な環境である宇宙で生きるには変温動物のほうが有利だわね」
「そうだわね、あたしたち恒温動物なんか昼夜の差が激しい星ではなかなか外で活動するのは厳しいわ」
「でもまあもちろん変温動物だって限界があるわ、そこで超恒温動物の研究が進んでいるのよ」
「超恒温動物?」
「ええまあようはスーパー血液に交換するという事なんだけどね。つまり細胞が死なない程度までの熱さ寒さに耐えられる血液を体内で維持するのよ。熱さで蒸発しない煮立たない血液、寒さで凍らず円滑に流れる血液に交換するのよ」
「そんな夢のような事が…」


「赤血球と血小板の機能を上げたら簡単にスーパー血液出来ちゃいましたね」
「ええまあこれで宇宙のどんな星にも住めるわ。このスーパー血液になったら地球の四季なんて感じられないくらいよ」
「そうだわね、ちょっとさみしいわね。四季を感じるには地球以外の四季の温度差が激しい星に住まないといけないのね」
「ええまあそうね。あら、良い男」
「どうしたの?」
「冷めちゃった。スーパー血液のサーモサットが瞬時に働いて、心臓のドキドキも無かったわ」
「そういえばあなた、スーパー血液に変える前はいけめん男見たらすぐ顔が赤くなってたのに…」
「ええまあ、超良い男が現れない限り恋も出来ないようになっちゃったのかしら…」
「…」