「分身って、本体より弱いイメージがあるわよね」
「そうだな、実際に哺乳類のクローンは寿命が短くなるとか癌になりやすいとかがあったからな」
「現代の生殖の基本はクローンなんだから、そんな変なイメージは一掃させないといけないわ」
「そうだな、人工子宮に一工夫必要だな、男の子の場合はよりいっそう男性ホルモンが出るような羊水にして、女の子の場合はよりいっそう女性ホルモンが出るような羊水にするとかしてみようかな」
「良い考えね、現代は男女差がなくなって来ていて男らしい男とか、女性らしいおしとやかな女性とかがいなくなって、みんななんか無機質っぽくなって来ているものね」
「現代は男女の身長差も少ないし、体格も男女とも軟弱だから、きっと良い結果になるぞ」
「…」
「随分男女の差が出来たものだな」
「やりすぎよ、人種が違うみたいよ、筋肉隆々で超巨大な男に、細くて超小さくておしとやかな女性…」
「それと… ちょっと問題が」
「なに?」
「男性ホルモンぎっちぎちな巨大な若い男たちが人工子宮を壊しだしたんだ。クローンではなく昔ながらの生殖をやらせろって騒いでいる」
「まあまあ、良い事かもしれないけど無理よ」
「そうだな、無理だな、これだけ男女差が開いては女性のほうは切り裂かれてみんな死んでしまう」
「人類終わったわね」
「ああ」