ss1084 生体膜
「ヘルメット? ガスマスク? 迷彩服? 軍手? 安全靴?」
「今度は戦争にでも行くの?」
「違うのよ、勝手にこんなふうに生体膜が変わっちゃったのよ。これってもしかして…」
「生体膜の生物的感? どこかの国が攻めて来るって事を察知して自ら変わっちゃったならこれは大変な事態よ」
「あ」
「なに?」
「今度は夜の女王様に… あ、フィギアスケーターに… あ、テニスプレーヤーに」
「あなた完全に生体膜に遊ばれているわね」
「いや~ん」
「あらあら、みんなヒモになっちゃって、亀甲縛りになっちゃったわね」
「もういや、脱いでやるわ、そしてそのままにして餓死させてやる」
「あ、おとなしくなったわ。あらあら今度は…」
「まあ素晴らしいドレス! あ、でもなんか変よ」
「どうしたの?」
「今までは簡単に脱げてたのに… 感覚がなんか変」
「どれ」
「きゃっ! 痛い! やめて!」
「大変、血が出てるわ、まさか…」
「あたしの血管や神経を誘導したのね、捨てられるのが嫌だから」
「どうするのよ、これからは生体膜の好き放題?」