ss1083 生体膜
「帽子? マスク? マフラー? シャツ? スカート? 手袋? 靴?」
「そうよ、最新の科学力で作った生体膜なの」
「生体膜なの!?」
「そうよ、ちゃんとあたしからの栄養供給で生きているのよ、だから艶があって生き生きしているでしょ」
「ほんと素晴らしいわ」
「ほら」
「あらすごい。簡単に色や形を変えられるのね。いっぱい服を持っているのと同じなのね」
「それから生体膜だから洗濯とかじゃなくて、お風呂で一緒に洗えちゃうのよ」
「まあ、楽ちんね、ちょっと貸してよ」
「いいわよ、マフラーでよいかしら?」
「ええ、  わっすごいフィト感! あらほんと好きな色や形、長さもそう願うだけで変えられるじゃない! すご〜い」
「あ、取って見るのも良いけどあんまり長い間肌から離しちゃだめよ、生体膜だから栄養が途絶えると死んじゃうからね」
「えっ! そうなんだ」


「どうしたのそのご自慢の生体膜は!?」
「あたし、インフルエンザにかかっちゃって、昨日まで会社休んでたのよ、まだ本調子じゃないわ」
「穴が開いている処もるわよ、ぼろぼろの服を着ているようだわ」
「元気になればまた立派な生体膜に戻ってくれるわよ」