ss1069 職人芸
「ものづくり日本って言うけれど、最近は職人芸級の高度な技術を持った人が高齢化して、しかも弟子入りして厳しい修業をする後継者も、少子化のためにそのようなところにまで人が廻ってこなくなってしまった」
「日本を支えてきた様々な高等技術は絶えてしまうんですね」
「そうだ、工業も医療も芸術も… 手先の器用な日本人ならではの技が消えようとしている」
「そうだ、人型ロボットにそれら全ての技術をインプットすれば良いのではないですか? そうすれば未来永劫日本人の技は消える事はありませんよ」
「なるほど、そうだなそれは良い考えだ、早速実行しよう」

「…、ロボットなんだから普通にインプットするだけで良いのに」
「師匠の多くはプライドが高いので、技は修業して見て盗めっていうのが基本のようです」
「視覚センサーや聴覚センサーを通して技をインプットする事になるわけだが、プライドのために時間がかかるな」
「まあ、彼らが生きて居る間に技が保存出来れば良いわけですから、我慢しましょう」

「こんな技術も未来に残す技術としてロボットに教えるのか?」
「ええ、なんでも手先の器用な男優も少なくなって来ているようで」
「未来の日本人は子孫の生成の仕方も忘れてしまうという懸念からだろうけれど…」
「そういう言い方そのものがもうやばいですよ」