ss1063 アバター
「アバターってなあに?」
「アバターもエクボってよく言うじゃないか、シミやソバカスも恋していればエクボのようにかわいいものに見えてしまうって事だろ」
「…、そうかしら分身がどうのこうのってちょっと聞いたわよ」
「ああ、ブログとかで設定出来るキャラクターの事だな、なかなか自分に似せてコーディネートは出来ないぞ」
「こうでねえとって…、あんたかわいく変え過ぎよ、分身ってそんなに変えてしまっては詐欺だわよ」
「そ、そうだよな分身なんだから双子以上に似ていなければいけないよな」
「芥川龍之介が死ぬ時に…」
「そ、それはドッペルゲンガーだ」
「宇宙が収縮して終わる時に…」
「そ、それはもっと凄まじい事になる。それは反物質の分身だ」
「天国の事を実在界って言うわよね、そしてこの世は現象界とか物質界とか」
「う、うん。そうだな、そう考えると君の言う様にぼくらは天国に実在する本当のぼくらに作られたアバターでしかないという事になる。二人の芥川龍之介のうち一人が実在界の実物で、もう一人がこの世の人型であるアバターだったのかも知れない」
「あたしたち古くなって干からびて飽きられたらその都度捨てられるアバターだったのね、遊びで作られた性格や人生だったのね!!」
「もちろん次に作られるアバターには今のぼくらの記憶は無いだろうし、体もその時の宇宙物質から適当に作られるんだろうな」
「アバター! アバター! アバター! きゃあ〜」
「そんなにあばたあばたするなよ」