ss1059 3D元年
「2009年は3D映像元年だったのか」
「でもまあしょせん2つの目の位置の差を利用しているだけで慣れてしまえばなんの事はない」
「そうだな、映画は平面である事に情緒や意義が有ったりするし、今までの誇張されたショー的な3Dの方が子供は喜ぶしな」
「現実の延長線上の違和感の無い3Dほど慣れてしまえば退屈なものは無い。そこでこの超3Dメガネだ。これで辺りを見回すと感動するぞ」
「…、なんかいっぱい作ったんだな」
「好きな物を着けて見ていいよ」

「うわっこれは!」
「蜘蛛の目をヒントに作ったんだ。6個も目が付いてるから近くの獲物が超立体に見えるだろう?」
「う、うん。ハエが旨そうに見える」

「うわっこれは!」
「定番の魚眼レンズだよ、グーグルマップみたいにマウスで動かさなくてもいっぱつで全周が把握出来るだろう? しかも左右有るから超立体の魚眼レンズだ」
「素晴らしい! 自分自身の背中まで立体で見えてしまう」

「うわっこれは!」
「トンボの複眼だ」
「うわあ~」
「止まれば大丈夫だ、トンボのメガネは動いている物しか見えない様になっている」

「確かに飽きないけど…」
「もちろん人間の脳の視覚視野の処理能力が追い着けないでいる。だからこそ刺激的で楽しいんだよ」