「これが透明なタンパク質クリスタリンよ」
「目のレンズになるタンパク質ね」
「ええ、これを応用して普通の体細胞にもこの性質を発揮させると、透明人間が出来るのよ」
「まあ、凄いわ、タンパク質だからガラスなんかより壊れにくいし、プラスチックより柔軟性があるし…」
「そうよ、ケガしてもちゃんと他の体細胞や皮膚のように普通に治るしね、完璧よ」
「まあ、映画に出て来るような透明人間じゃなくて、クリスタル人間って感じになるのね」
「そうよ、あなたクリスタル人間になってもらえないかしら?」
「もちろんいいわよ」
「どう? クリスタル人間に変換された印象は?」
「まあ、綺麗! 満足よ。あら、目をつぶっても開けても変わらないわ、あたしの内側も…」
「内臓や脳とかもクリスタリンに変換してあるから神秘的でしょ。上を見ると自分の脳が見えるわよ」
「やだ、あたしの子宮も膣道も丸見えね、ま、綺麗だから良いけど」
「お願い」
「わかっているわよ、受精、妊娠、出産の神秘、過程を記録したいのね、それはわたしも嬉しいし見たいからからいいんだけど…」
「なあに?」
「我が子はともかく、わたしの食べる食事にもクリスタル技術を使って欲しいの」
「大腸に溜まってゆく茶色いうんちを見られたくないのね」
「ええ…」