ss1051 ボボダウの異星人
「こっこいつらは…」
「異星人の剥製か!? 地球に来て居たんだな、標本もいっぱいあるぞ」
「地球人に似ている部分もあるんだな、しかし奇妙な姿形だ」
「皮膚にも色々あるんだな、硬くてざらざらした宇宙人も居ればウールで包まれた宇宙人も居る」
「凄い凄い! こんなに大きな宇宙人も居るぞ! いったいどんなでかい宇宙船に乗ってやって来たんだ?」
「うわっ! こんなにちっちゃい宇宙人も地球に来て居たんだ」
「しかし…」
「そうだな、病気や奇形児でもないようなのに、こんなに色々な宇宙人を剥製や標本にしてしまっているって… 我々地球人の祖先はそうとう凶暴だったんだな」
「つか、こんなにたくさんの種類の宇宙人を敵にまわして俺達子孫は仇討ちとかされないんだろうか?」
「この発掘された研究施設… 危険だな、宇宙人に見付かる前に焼き払ってしまおう」
「そうだな、それがいい。宇宙戦争になったら、こんな奇妙で恐ろしい姿形の宇宙人たちには絶対地球人は勝てないだろうからな、我々地球人の祖先はそうとう苦労して地球に来たこれらの宇宙人を倒したに違いない…」
「さあ、火を点けるぞ」
「う〜ん、古代文字で『上野動物園・剥製コーナー』とか? なんだこりゃ」
「あぶないぞ、はやくどけ」

 こうして地球上から動物の剥製や標本すらも人類のせいで消滅させられてしまった。