「人間の大人の皮膚からの万能細胞が遂に作れる様になったんだな」
「そう、そしてこの急成長細胞再生カプセルだ」
「うむ、たった一剥けの皮膚からそれ以外の部分をたった数日で再生してしまうという優れものの培養液が満たされている」
「凄いよな、たった数個の細胞からでもその部分が体全体のどの位置の何歳の人間の細胞かを判断してくれて、万能細胞に変化して、人間をまるまる再生してしまうんだからな、アインシュタインの脳は解剖学者が解剖してスライスしてしまったそうだが、まあ、再生の概念の無い時代だったから仕方ないが、そのサンプルの細胞からでもアインシュタインを現代に復活させられるようになった」
「素晴らしい。偉人たちを復活させるというプロジェクトは決定だが、失礼の無い様にまず、俺の細胞で色々実験してからやってみる事にするよ」
「凄いな、この再生された俺、俺の額の皮膚からだけど『記憶』まで再生されている。脳内神経の伸び方や記憶伝達物質まで忠実に再生されたからだろうか? 双子でもこうはそっくりにならないぞ、やはり再生なんだな」
「人間の記憶、性格というのは全ての細胞にやどる霊の様なものなのか? ちょっとした心の動きまで全ての細胞は感じているという事なのか!? まあ、これだけ精巧に再生されれば納得してしまうが… あれ、もう一人のおまえがなんかカプセルごしに怒っているぞ」
「やばい、あいつは俺の肛門の痔の細胞から再生させてみた奴だ、知っているんだ、自分の事を…」
「…」