「まんがに出て来る人物ってデフォルメされてて可愛いわよね」
「そうよね、今の技術なら現実にそういう人間が作れるようになって来たのよ、目そのものを大きくしたり、顎の形を大幅に変えたり出来る様になったわ」
「まあ、整形手術のレベルがそんなに上がって来たのね」
「違うわよ、分化生成の時に操作するのよ、場合によっては遺伝子まで操作するわ、まあ、遺伝子までいじる程のデフォルメは嫌われるからあまりやらないけどね」
「って、あなた、もうそういうデフォルメ人間を作っているのね」
「そうよ、見る?」
「まあ… まだ赤ちゃんや子供だけどまんがからそのまま出て来たようなデフォルメされた人間たちっ!」
「技術的には簡単なのよ細胞分化の時にちょっとだけ生成中の器官の位置をずらしてあげるだけでその器官が騙されて大きくなったり小さなまま分化を終えたりするからね、目のレンズだってそうよ、網膜の近くに生成中のレンズ細胞を移動させると小さなレンズになっちゃうけれど、少し離したところに生成中のレンズ細胞を置くと大きなレンズになって、それにつられて眼球も大きくなるのよ、まんが的な顔に最適な技術だわ」
「でも… なんかリアルだと…」
「やだ… きもい! 昔の人ってなんか変!」
「ほんとだわ、この古い写真、目がちっちゃくて顎もしっかり大きくてばけものだわ」
「でもこういうばけものたちがあたしたちを作ったのよね」
「や〜ね」