ss1039 人間改造論
「遺伝子操作された食物って、完全に安全って判っていても消費者って、パッケージにその事が書かれていると避けて買わないのよね」
「まったくむかつくわよね、せっかく農薬を使わなくても害虫に強くて栄養も満点な野菜や穀物を作っても、肋骨を増やして肉が多く取れてしかも美味しい家畜を作っても、消費者が避けて買わないんじゃ意味が無いわ」
「自然だって、ウイルスや突然変異の影響で時間はかかるけどけっこうアクティブに自然に遺伝子操作しているというのに…」
「そうよね、自然が行なう事を人為的に方向性を少し変えてやっているだけなのに評価されないなんてむかつくわよ」
「でも、まあしょうがないわよ、お客様は神様なんですもの。遺伝子そのものをいじらずに商品を作るしかないわ」

「やれば出来るのね」
「ええ、遺伝子をいじらずにあたしたちの食物である地球人を改造してみたの」
「生成の段階から天然のホルモンや酵素を増減させて思う様な肉質を作る事に成功したわ」
「凄いじゃない。形も大きさも自由になるじゃない。あら、頭部の生成の時に頭蓋骨を取り除くだけで巨大な脳も生成させられるのね」
「ええ、地球人の脳はちっちゃくてちょっとしか採れなかったからこの技術で大儲けよ!」