ss1032 自己主張
「細胞分裂をする時、どの部分が頭になるとかちんちんになるとかを知るために、細胞に色を付けたり染色体をニ倍体の部分と三倍体部分に分けたりしているけど、もっと簡単な方法はないのかしら?」
「ミトコンドリアのような寄生生物を4細胞とか8細胞とか16細胞の時に、あるいはある程度分化した胚の細胞に組み込めば良いのよ、一緒にその段階その細胞から分化してくれるわ」
「そうね、ミトコンドリアの色々な亜種を各部分にそれぞれ寄生させるのが良いわね、もともとミトコンドリアは寄生生物だから簡単ね」

「簡単だったけど、使ったミトコンドリア…」
「みんな自己主張が強いのね、肌の色を緑色にしたり赤くしたり青くしたり…」
「判り易いけど、腕が緑で、顔が赤くてちんちんが青い肌の人間が出来ちゃったわよ」
「内蔵も人目で判るくらいに鮮明な色分けをしてくれているわ…」
「もう一人、別系統のミトコンドリアを組み込んだ人間はどうなったのかしら?」
「それが… こっちはもっと自己主張が強くて…」
「… 色だけじゃなくて形態にも自己主張しちゃってるじゃないの!!!!」
「ええ、新しい芸術的デフォルメされた人間に仕上がってしまいました。。。。」