ss1019 銀河鉄道の昼
「宇宙に鉄道を敷くっていう発想はロマンがあって素晴らしいものだわね」
「そうね、でも、現実的には不可能だけどね」
「そうかしら? 材質を鉄にこだわらなければ可能じゃない? 粒子とかエネルギー体とかで作れば隕石や彗星が通ってもすぐにほどけたり、再生させたり出来るわ」
「そうね、エネルギー体で作れば電車の様にエネルギーを貰いながら走れるしね、作りましょう」


「快適ね、鉄道そのものが伸びたり縮んだり新しい路線を開拓したりと、生物の脳のシナプシスみたいにアクティブな性質にしたから、銀河宇宙の何処へでも行けるようになりつつあるわ」
「ほんと素晴らしいわ、鉄道がきらきら光って綺麗だしね」

「あっという間に銀河宇宙中にエネルギー体の鉄道が張り巡らされたわね」
「ど田舎の星への超ローカル路線も膨大な恒星の余りあるエネルギーで簡単に維持出来るから、取り止める必要もないからどんどん路線が増えて行ったのね…」
「明るいわね」
「明るいわ」
「宇宙に夜は無くなったわね」
「銀河鉄道の昼ね」