ss1012 公園で
「おフランスの子供ほどじゃないけど、日本の子供もそうとう窮屈な生活をさせられる様になったのね」
「そうなのよ、公園ではボール遊びは禁止、私語も禁止、一人で遊ぶのも禁止、なんでもかんでも禁止なのよ」
「まあ、あたしたちと同じね、たまたまで遊ぶのは禁止、今では通じない死語を使うのも禁止、一人で済ますのも禁止…」
「あのね」
『あなたたち甘いわよ』
「あら、いきなり登場ね宇宙人の奥さん」
「いつも子供を守るために鉄壁の防御なのね」
『あたりまえですわよ、宇宙には危険がいっぱいなんですもの。子供は常にチタン合金の鎧で顔まですっぽりですわ。それからボディーガートも雇っています。常に監視状態にありますわ』
「自分の子供の顔を見る事はあるの?」
『それが…、出産の時に見たきりなの』
「まあ、かわいそう」
「地球は銀河の外れの辺境の星よ、あたしたちもガードしてあげるから我が子の顔を見なさいよ」
『ありがとう、実は地球に来た目的は我が子の成長を見るためなのよ、さあぼうやこの星ならマスクや鎧を脱いでも大丈夫よ』
「…」
「…」
『…』
「これって、中身の無い鎧型のロボットよね」
「とっくに子供は変質者か子供の欲しい宇宙人にさらわれちゃっていたのね」
『絶対取り返してやるわっ!』
「でもあなた、自分の子供の顔、わかんないんでしょ?」
『…』