「これがカプセルカメラね、ちっちゃいわね、昔は太いコード付きの胃カメラを飲み込んでいたのに…」
「そうよね、振動ぶれ補正は勿論、回転、ズーム、ライトの角度や光量をリモートコントロール出来て、鮮明な動画映像を見れる様になったわ」
「この最新型は動力も付いていて回虫のように自由に動き回れる様になったのよね、だからうんちと一緒に排泄という回収方法の他に口に戻しての回収も可能になったわ…」
「なによ、その目線。あたしの下の口に入れたいの?」
「生命の神秘が撮りたいのよ、昔神業を持つ人が胎児の映像を撮っていたでしょ? 今なら自動交換レンズで高倍率の顕微鏡にもなるから卵子の時期から継続して我が子を撮れるわよ」
「…。凄いわ、良いわね、受精前からのあたしの子供の記録が残せるのね」
「じゃ」
「じゃって、あなた、その注入機に入っている精子、誰のよ!?」
「気にしない気にしない。あんたの容姿じゃ男をゲット出来ないでしょ?」
「ま、まあね」
「あたしの子…、胎児ってこんなんなん?」
「そうよ、受精の瞬間から見ているから愛着があるでしょ?」
「ま、まあね、でも…」
「あたしの子…、胎児ってこんなんなん?」
「気にしない気にしない。」
「え、でもお尻に…」
「あたしの子…、胎児ってこんなんなん?」
「そうよ、もうじき出産よ」
「え、でも頭にも角みたいのが…」
「だましたわね」
「ええ、でも可愛い子でしょ? 地球人と遺伝子が似ていたからもしやと思ってね、試してみたかったのよ」
「宇宙人の精子だったのね」
「いいえ、その宇宙人が家畜として飼育していた下等な生物よ」
「…」