「大人ってもっと大人っぽいイメージが有ったけど、大人になってもなんか全然変わらないような気がするよ」
「そうね、とくにあんたは男だから、男は一生少年だとか言う人も居るくらいだからね。でも女のあたしも大人になったったていう自覚はないわ、なんかもっと決定的な事はないのかしら? あたしたちの子供を作ってもそんなに大人になったって感じなかったし…」
「そうだな、なんか違うよな、徐々に大人になるっていうのもなんか違和感がある」
「地球も国際化っていうか、宇宙際化してきていろんな宇宙人が来るようになったけど、なんかみんな大人って感じがするわ。体もしっかりしていて縦にも横にもあたしたちの二倍くらいの大きさがあるし、考え方もなんか本当の大人って感じよ」
≪やあ君達、君達はまだ移住出来る星を探している途中なのかね? だったらこの星地球を譲っては貰えないかね?≫
「えっ、いきなり現れましたね宇宙人さん。ぼくらの地球を譲って貰えないかだって!?」
「あたしたちこの地球で生まれ育ったのよ、移住出来る星を探してなんかいないわ」
≪ああ、なるほど、君達は大人になる事を忘れてしまったんだね、ここは辺境の星だから無理もない。長い旅だったようだね≫
「大人になる事を忘れたって? ぼくらも別の星から来たというのか!?」
≪そうですよ、小さな宇宙船で移住出来る星を探す場合、昔はよく小さな幼生の体で宇宙に散って行きました。なるほど… あなたたちは移住先を見付けたのに大人になる事を忘れてしまい、そのまま生殖能力を身に付けてしまったようですね≫
「ごめんなさい。この地球は譲れないわ。大人になる方法を思い出させていただけるかしら?」
≪わかりました。良いですよ。大人としてクリーンな地球の管理が出来る様になるでしょう。戦争という子供喧嘩も無くなります≫