「足の裏に魚の目が出来たわ」
「まあ、それは凄い。魚の目って、魚眼って、すんごい広角なんでしょ？」
「そ、そうよ両足に出来たから３６０度もの視界が手に入ったわ」
「じゃ今度から逆立ちして歩かないとね、イカとかクリオネみたいに」
「そ、そうね逆立ちして歩かないとね」
「靴下履いてないで見せてよ」
「出来たばっかりでまだ光に弱いのよ、今度来た時に見せてあげるわ」
「うん、絶対よ」

「しょうがない、魚の目を移植するか。でも、移植するからには本格的にちゃんと神経まで繋げて見える様にするわ」

「ハアイ」
「ハアイ元気そうね、いいわよ、今日は魚の目見せてあげる、ほら」
「すごいすごいすごい！」
「えへへ、専用の穴明きハイヒールも作ったから、夜道でも下から３６０度見えるから安全よ」
「なるほどね〜　実はあたしも出来物が出来ちゃって」
「まあ、なあに」
「あたしは魚の目じゃなくって、タコが、ほら指にペンダコが出来る様になったのよ」
「美味しい？」
「ええ、食べても食べてもすぐ出来るのよ。食費が浮いて助かるわ。これが本当の自給自足なのだわ。どう？」
「いらないわよ」