「家族と考えた場合、家電も家族と考えなければならない程家電は我々の生活に溶け込んでいる」
「そうだわよね、掃除機に冷蔵庫、炊飯器にシステムキッチンに全自動洗濯機に風呂だって家電だわ」
「うん。テレビは勿論パソコンも勿論、空調だって、動く家みたいな自動車だって家電だ」
「家電は家族だわ」
「うん。間違いない」
「あたしたちは家電無しには生きていけないのよ」
「そうだよ。生きていけない」
「生活に絶対に必要な家電は家族なのよ」
「そろそろ家電と我々人間は合体する時が来たようだね」
「ええ、合体しなければならないわ。サイボーグになるのよ」
「大家族になったね、僕はテレビと合体してニュースな男になったよ」
「あたしはおっきい冷蔵庫と合体してクールな女になったわ」
「爺ちゃんは時々唸る空調に、婆ちゃんはボーとした風呂になってもらった」
「一人暮らしの弟や妹たちも呼び戻して掃除機やキッチン、炊飯器と合体してもらった」
「楽しいわね、家族はこうでなきゃ。大家族万歳よ。一人一人かけがえの無い家族ってこういうものなのよ。子供が産まれたら電気自動車との合体が良いわね」
「あ、回覧板お隣に廻すの忘れてた。 えっ」
「どうしたの?」
「明日丸一日工事でこの地区は停電だってよ」
「… ふ〜ん」