「気持ち良いわ、この魚たち、あたしの古い皮膚を剥がして食べてくれるのね」
「うん、でもエステほどの効果は無いよ、隣の水槽に入ってごらん」
「まあ、すごい。ちょっとちくちくするけど、エステでやってもらうより簡単で隅々まであっという間に綺麗にしてくれるのね、この水槽、この魚ちゃんたち最高だわ」
「綺麗だよ、肛門までつるつるだ」
「バカ」
「わかっていると思うけど、絶対に次の隣の水槽には入っちゃだめだよ、ピラニアだからね」
「こ、こわ。あら、何してるの? あたしの体を綺麗にしてくれた魚ちゃんたちを掬っちゃって」
「救わないよ、食べるんだよ。ここの全ての水槽の魚は美味なんだよ」
「…、あたしの皮膚を間接的とはいえ、みんなで食べるのね」
「うん」
「美味しそうだけど、あたしは嫌よ、自分自身を食べるなんて…」
「じゃ、今夜はこれを食べてよ」
「まあ、おっきい木、え、これ、この木肌美味しい」
「でしょ。いっぱい食べて」
「おなかいっぱいだわ」
「じゃ、今度はきみが食べられる番だ」
「え!?」
「さっききみが食べたのはおっきい宇宙人の肌だったんだよ、そしてきみはその仲間に食べられるんだ。さすがにきみと同じできみに肌を食べられた宇宙人の娘は拒否しているけどね、でも、他の仲間は憧れの娘の肌を食べられるって興奮しているよ」
「…」