「お酒って、呑むと最終的には酢になるのね」
「凄いよな人体は、毒を分解して有用なものに生成し直すんだもんな。これは、人体は工場だな」
「そうよね、食物を分解してアミノ酸にしたり血中に溜まった不要物を濾して浄化したり、水分比率を一定に維持したり… 物凄い事をこんなコンパクトな人体で全て行なってしまうんですもの」
「これは利用しない手はないな」
「そうね、ばらして、機能分化して、もっと工場らしく大規模に作業をやらしましょう」
「腸を繋ぎ合わせて千メートルにしてみたよ、不純な細菌を使わずに多少時間はかかるけど色んな物を高精度に分解吸収出来るよ」
「超凄いわ」
「それから秘蔵っ子の膵臓も合体させて巨大な大人にして天然の良質のインシュリン製造機も作れたよ」
「良いわね、人体から色々な薬やホルモンを簡単に作れるわ。今まで倫理がどうのこうのでうざかったけど、法律の届かないこの宇宙ならなんでもありだものね。楽しいわ」
「特に脳下垂体、視床下部からの副作用のない脳内麻薬物質やホルモンが採り放題ってのは良いね」
「こうやって生きたまま脳を並べたり、お腹を開いたりする事は長い間タブーとされて来たそうよ」
「こんなに精密で素晴らしい機械なのにもったいない。なんで今まで有効に使おうと考えなかったんだろう」
「あたしたちロボットには理解出来ない事だわね」
「どうでもいいよ、地球から買って来た人間をお金持ちの地球人に加工し直して売るのが僕等の新しい仕事だ」
「あたしたちロボットからしたら人間は機械構造的にも創造主的にも神様だけど、宇宙時代になって神様は神様を機械として必要としだしたのね」