ss0958 ショック肉
「彼等は工場とか、都合よく言っているけど…」
「自分達に対する言い訳だろう。我々人間も牛や豚を育てている所を食肉工場って言ってたじゃないか」
「もっと柔らかく、食肉畑とか言ってる所もあった」
「畑って、植物だって生きものとして見られていなかった訳だよな」
「じゃ、俺達も生きものとして見られてなくて、死ぬ前日にも美味しいものとか、女とかを与えられずあっさり機械的に殺されちゃったりするのかな?」
「当たり前じゃないか、俺達は肉なんだから、基本的に男は25歳、女は17歳で収穫されるみたいだよ」
「しかしお前胴長短足にもほどがあるぞ」
「肋骨の本数が多いんだよ、肉がたくさん採れる。自然に進化したんだ。だからここで生かされている。お前は味の方か?」
「うん、ブランド名が付いてる。ところで女たちはあっちの工場だっけ?」
「そうそう、あそこは清潔だけど、身動きがとれないほど詰め込まれて居て、電気もなく真っ暗だって噂だ」
「鶏卵工場と同じだな、一生真っ暗な倉庫で子供を産み続けるという事か。人間も猿と同じで深夜早朝の真っ暗な中で子供を産むという本能が残っているからそれを利用されているんだろう」
「地球の人間って、単純に神様に忘れられて野放しで野生してただけだったんだな」
「ああ、こういう食肉工場で生きるのが本来の人間の生き方だったとは…」
「ところで俺達が食べている餌…」
「考えるな! 神様が食べ残した人間が混じっているから美味しいんだよ」
「ブードゥー…」