ss0956 注射
「注射って、幾つになっても嫌なものね」
「そうね、夏休みの宇宙旅行でこんな事になるなんてね」
「ぶっといわ、ぶっとすぎよ。それに粗悪な作りだわっ!!」
「生きたままするのね、薬の廻りが良いのかしら」
「なんか不器用ね、やだ、空気もびんびんに入っちゃってるじゃない」
「死ぬほど痛そうね」
「あたしたち死ぬのよ」
「そうね、あの防腐剤ちゃんと効くのかしら、せめて美しいまま保存して欲しいわ」
「あら、なんかわかってるじゃないこの昆虫型の宇宙人の子、肌を注射針で傷付けない様に口とか膣とか肛門を探ってくれているわ」
「ぎゃああ!!」
「やっぱ子供ね、下手糞だわ。肛門が二つになっちゃったわね。どう? 痛い」
「あうっあうっ…」
「そうよね、そうなっちゃうわよね。あら、やっぱり手足胴体を針で止めるのね。じゃあ、注射も何処に刺しても同じだったじゃない。結局お肌に穴を空けちゃうのね」
「ぎゃぎゃぎゃぎゃ〜」
「あんた、キリストみたいよ。復活出来ると良いわね。あんたが騒いでくれたおかげであたし逃げ出せそうよ」
「ぎえぇえぇ〜」
「やめてよ! あたしの方を見ないで、指まで差すなんて!!」