「やっぱり宇宙は広大で海に例えるのが一番しっくりくるな」
「そうね、宇宙はやっぱり海だわ」
「海だ海だ」
「それであたしたちこんな目に進化しちゃたのかしら?」
「うん、図鑑で見た事があるけど、魚眼って言って目が飛び出てて、目と目の間が物凄く広いんだ」
「美的感覚は進化前のが残ってるから、あたし達、自分達で言うのもなんだけど、化け物ね」
「うん、でもそれなりに君は美しいよ」
「まあ、ありがとう。この広大な宇宙であたし達が出会えた事は奇跡だわ」
「良いのかい?」
「もちろんよ、あたしのお腹に さあ 噛み付いて」
「巨大なお腹だな」
「あなたが小さ過ぎるのよ、あなたは地球の古典の一寸法師そのものだわ」
『がぶり』
「うふっ、蚊に刺されたって感じだわ」
「あ、やべえもう動けねぇ」
「あたしとの同化が始まったのよ。あたしとあなたはこれからずっといっしょよ」
「嬉しいよ」
「あたしたちのこの合体は、地球の深海魚のチョウチンアンコウと同じそうよ。真っ暗で広大な深海で奇跡的に出会ったオスとメスは二度とはぐれないようにメスがオスを同化吸収しちゃうのよね」
「うん、知ってる。僕も精子取りだけの君のへそピアスみたいなアクセサりーになっちゃったけど、僕のもチョウチンアンコウに負けないくらい超ちんだからいっぱい宇宙に子供をばら蒔けるよ」
「ばか」