「今日は膿の日なのね」
「そうだよ、マクロファージの功労に感謝し、称える日なんだ」
「凄いわよね、マクロファージは、あたしたちが怪我したりした時に駆け付けて来てくれて、悪と戦ってくれるんですもの」
「そうだな、ヒーローだな。最悪ばい菌と刺し違えて死んで白い膿になってしまうんだからな。立派な墓でもたててやりたいところだ」
「あなたたち何ばかな事言っているの? 今年から膿の日ではなく、国の要望で産みの日に変わっているのよ」
「あっそうだった! 子作りしないとせっかく貰った巨額になった定額給付金も没収になるんだった」
「遅いわよあなたたち、今日産むように調整すべきだったのよ」
「どうしましょう。あたしたち今日から一年間非国民扱いになるのよ」
「村八分にされて、石を投げられちゃったりするんだね…」
「だいじょうぶよあなたたち、来年の産みの日に向けて計画を立てて、書類を役所に持っていけば手厚く保護してくれるわ」
「なるほど、そうなんだ助かったよ」
「でも、来年もちゃんと産みの日なんでしょうね? 最近年の休日は名称が変わったり、むりやり日にちをずらして連休にしちゃったりするじゃない」
「だいじょうぶよ、産みの日は日本が復興するまで続くわ」