ss0920 夢診断
「脳の視覚野を分析する事により、どんな夢を見ているのかわかるようになったのね」
「素適ね、しかも今は視覚野どうしをランケーブルで繋いで、他人の夢の中に自分の夢を参入させる事も出来るようになって来たわ。もちろんランだから同時に複数の人にもね」
「まあ、じゃ、夢で他人を支配したり行動や意識を操作する事も出来ちゃうって事?」
「そうよ」

「あたしとあなたの会話、誰かの夢の中での会話じゃないわよね」

「…」

「あたしたちほんとに存在して居るのかしら、誰かの夢の中の登場人物とかじゃないって証明出来る方法は無いの?」

「…」

「なんとか言ってよ不安じゃない」
「神様の夢そのものが宇宙というもので、その中に地球があって人間とかも居るのよ」
「その人間が見ている夢に登場するのがあたしたち?」

「…」

「もっと、もっともっと下層なの?」

「…」

「じゃ、どの階層の意識が目覚めてもあたしたちはお終いなのね」
「上部階層の意識に気付かれない様に徐々に上がっていって支配してゆくしかないわ。このランの概念が有効だといいけれど…」
「やるしかないわね。目覚めないうちに。似た夢は再び見てくれる可能性はあるけど、それは似ているだけのパラレルで、あたしたちじゃないからね、今やるしかないわ」